音アニスタッフコラム
【コラム】完全解説! IE-K1の世界! 【イヤモニ】
こんにちは!
ONKYO DIRECT ANIME STORE(音アニ)スタッフの岩澤です!
今回からコラムという形で、
音アニの商品やオンキヨー株式会社のご紹介をしていければと思います。
よろしくお願いします!
今回はONKYOとFitEarの共同開発モデル!
K1 Custom IE-K1のご紹介です!
アイマスコラボやぼっち・ざ・ろっく!コラボのベースモデルとなっているIE-K1、その音質やこだわりをまとめてみました!
販売ページはこちら!
IE-K1の外観・付属品
それではIE-K1の外観や付属品を見てみましょう!
シックな箱を開けるとマルチケースが入っています。
コラボモデルでは専用のペリカンケースに入っています。
一人ひとりの耳型に合わせて成形されています。
FitEarの特徴的なフェイスプレートに憧れる方も多いのではないでしょうか。
こちらがUniversalモデル。
さまざまな人の耳に入るようにツルッとした形状です。
こちらのフェイスプレートもFitEarの特徴はそのままです。
ちなみにシェルカラー、フェイスプレートカラーもそれぞれ左右でお選びいただけます。
実際に手に取るとイメージが湧きやすいですよ!
ケーブルはFitEar cable 004 ブラックを採用。
コネクタ形状がFitEar 2pinのケーブルならリケーブルも可能です。
ドライバはONKYOが開発したマグネシウムBAドライバをフルレンジで1機搭載。
よーーーく見てみるとドライバにONKYOの刻印が確認できます。
金属の四角い箱がドライバです。
…見えましたか?(笑)
他の付属品はこちら。
UniversalにはAZLA製イヤーピースが6サイズ付いてきます。
お届けの目安としては
レギュラーモデルだとUniversalで2ヶ月、Customで3ヶ月程度、
コラボモデルだとそれぞれプラス1ヶ月ほどお時間をいただきます。
ちなみにUniversalは限定のゴールド刻印モデルの在庫販売も行っています。
こちらもかっこいいのでおすすめですよ!
IE-K1の音質
IE-K1の音質ですが、フルレンジドライバ1機ということもあり、ローからハイまで自然にスムーズというのが第一印象。しかし解像感は1ドライバとは思えないほどに高く、どの帯域もクセなくしっかり鳴らせています。また、音場は広めで分離感も高く感じられます。
音としては、全体的に繊細でありつつも瑞々しく、ボーカルを綺麗に引き出す、いわゆる「ONKYOの音」といった印象。ちなみにオンキヨーサウンドのフィロソフィーは「あたかも実在する空間の中に実像が浮かぶ様に聞こえる音を目指す」なのですが、そのフィロソフィーに沿った音色だと思います。高域の刺さりは感じにくく聴き疲れしにくい音ですね。
カスタムIEMとはいえ、聴いていて楽しくなる音でリスニング向けのイヤホンです。
余談ですが、以前販売されていた同じドライバ構成のIE-M1とはかなり違う傾向の音となっています。シェル形状などなどでここまで変わるのか…と驚いています。
IE-K1の特徴
IE-K1の特徴はなんといってもONKYOが開発したマグネシウム振動板バランスドアーマチュアドライバ!マグネシウム振動板の特性を最大限に引き出すことをテーマに開発されました。
ではその「マグネシウム振動板の特性」とは何なのか、というところなのですが、音質としては自然で素直な音で「聴き疲れしない」ことが特徴です。
技術的な特徴は難しくなるので、先に簡単にまとめると
・とっても軽い
・振動吸収性が高い
・振動が伝わりやすい
というのが大きな特徴です。ここからは難しい話になるので興味のない方はまとめまで飛ばしてしまっても…(笑)
オンキヨーは1980年代初めくらいからマグネシウムを振動板として活用したスピーカーの開発・販売を行っていました(当社調べでは世界初らしいです)。
40年以上も扱っているマグネシウム、なぜそんなにこだわっているのかと言うと、理想のスピーカー振動板の特性が関係してきます。
その特性とは
・比弾性率が高い
・内部損失が高い
・軽量
です。軽量以外は初めて聞く方が多いと思うので、
できるだけ噛み砕いて説明いたします。
まず、比弾性率というのは、その物質がどれだけ変形しにくいかを表す弾性率という数値を比重(単位面積あたりの重量)で割ったものを言います。
これが高いほど軽くて変形しにくいということになります。変形しにくいということは振動が伝わる速度が高くなります。
音も振動、波なので、振動が早く伝わる方が音に対する反応が速く、緻密な音を再現できることになります…まだ難しいですね(笑)
変形しにくさだけに着目すると、厚紙とコピー用紙、端っこを持って同時に上下に動かす(振動させる)と逆端が動く(振動が伝わる)のは厚紙のほうが速いのは想像できると思います。これが弾性率(変形しにくさ)が高いほど振動が早く伝わるということです。
さて、続いて内部損失です。
損失が高いってなんだかデメリットみたいに感じますが、振動板としてはとっても大事なんです。
これも音は振動、波という考え方が大事になってくるのですが、内部損失が高いと伝わった振動がより早く吸収・減衰されるということになります。
振動の減衰が遅いと振動(音)が残っているのに次の振動(音)がきてしまうとかぶってしますので、意図したものとは違う振動(音)になってしまいます。
これはスピーカーとしてはよくないので、振動が少しでも早く減衰する、つまり内部損失が高いほうが良いということになります。
最後に軽量。これはイメージしやすいと思いますが、振動板が軽いほど簡単に振動しやすくなります。
高音は波の幅が狭いので、振動しやすさは特に重要となります。
一度は耳にしたことがある?ハイレゾ音源というのは、人が聞こえる範囲よりも高い音まで収録・再生されるため、ハイレゾ再生にはさらに重要です。
これがスピーカーの振動板として理想の特性なのですが…
厚紙のほうが振動が速く伝わるけど軽いのはコピー用紙、振動が速く伝わるのに吸収されるのも速い、というようにそれぞれ相反する特性なので両立するのが大変なんです。
そんな3つ全てを高いレベルで両立しているのがマグネシウム。
比弾性率・内部損失が高く、実用金属の中では最も軽い。
そんな魔法みたいな素材ですが、振動板として使うには少々厄介な特性もあるのです。
マグネシウムの厄介な特性、それは加工のしにくさと腐食のしやすさです。
振動板は高音域を再生できるように出来るだけ薄く作りたいのですが、マグネシウムはプレスした時に割れやすく、薄く加工するのが難しいのです。
さらにとっても錆びやすく、錆びないためのコーティングが必要となります。
この難題の解決に40年の経験が活きてきます。
このドライバで使用しているマグネシウム振動板の厚さは45μm。
一般的なセロハンテープが50μm程度なのでその薄さが想像しやすいかと思います。
腐食問題については特殊な技術でマグネシウムの内部までセラミックスを浸透させ、マグネシウムの特性を損なわないようにしつつ、従来の3〜4倍という高い剛性を実現し、雑音成分を排除ました。
BAドライバは構造上、低音再生が苦手と言われていますが、この処理によりひずみ率を低減することができ、大きな入力が入っても低域の音崩れがなく芯のしっかりした低音を実現できました。
デメリットを消すだけでなく新たなメリットまで生み出しちゃったわけです。
まとめ
ONKYOのこだわりが詰まったマグネシウムBAをFitEarさんで組み込んだIE-K1、イヤモニは使ったこと無い…という方からオーディオマニアの方までオススメできるモデルとなっておりますので、ご興味のある方はぜひ秋葉原の音アニまで!
それでは今回はこの辺で!
次回はフルカスタムを作る際に行う耳型採取(インプレッション)の様子をお届けします!